大泉工場は、今年で創業100周年になります。もっと多くのファンを獲得し、企業理念である「地球を笑顔で満たす」を共有できる仲間を増やしていきたいと考えています。
第1回目となる対談相手は、「食で人・地域・地球をhappyに」とメッセージとして発信している「旅するシェフ」の石川 進之介さんを「大泉工場NISHIAZABU」にお招きして対談します。
今後は、「地球を笑顔で満たす」をキーワードに様々な切り口で同業関係者及び異業種の皆様、そして弊社社員との対談を実施し、「Inside My Brain」にて情報をアップさせていただきます。
大泉:
石川シェフは世界を旅されながら料理を通して笑顔を引き出されていますが、大泉工場も「地球を笑顔で満たす」を企業理念に事業展開しています。そこで日本の食と世界の食、そして地球と笑顔をキーワードにお話をうかがいたいと思います。まずは石川さんの活動についてお聞かせください。
石川:
「食べているものが人間の体を作る」にこだわりながら、フライパンと包丁をキャリーバッグに入れ「旅するシェフ」として世界を旅しています。また、世界や日本各地の生産者のもとにも足を運んでいます。
石川:
昨年はセルビア共和国の大統領に日本の調味料を届けることができました。台湾は日本のファンも多いですが、出汁をひくだけでもパフォーマンスになりました。スペインは美食の国であり、観光立国を支えています。今回は、現地の料理教室とタイアップして日本の調味料を紹介しました。今、世界的に日本食ブームのため、箸の使い方の講習も海外でやりました。料理を通じて日本の食文化と様々な場所でコラボしています。
大泉:
石川さんはいろんな料理をこなしますが、どのように学ばれたのでしょうか?
石川:
最初は、10代の頃になります。和食から入り、それをベースに創作料理に進みました。今も日本食がベースにあります。そしてパスタの人気が出てきたイタリアンを経て、今のような形になっています。
大泉:
世界を旅するシェフというのは、なかなかいないと思いますが、反応や手ごたえは?
石川:
店を構えないのは「まだ勉強を続けたい」「食材にしてもまだ眠っているものを探したい」という思いが今でもあるからです。世界を回ることのメリットですが、一番勉強になるのは現地の文化に触れ、それで知った新しい食をアイデアとして頂けるというのがあります。さらに出張シェフというスタイルは、コミュニケーションツールでもあり、言葉の壁を越えていくこともできます。そうした体験をいくつもしましたが、帰国したときにその体験を生かし様々な企業との商品開発なども行っています。
ところで、大泉工場の手がけているフードビジネスには非常に特色がありますが、どのようにしてそこにたどり着いたのですか?
「FUN FOOD」ポップコーンで世界の子どもに笑顔を
大泉:
現在の大泉工場は、不動産の管理を軸に事業を行っています。これに上積みする何かをやらなければと思っていましたが、そうは言ってもこれといったイメージはありませんでした。
そうした折、訪れたニューヨークでポップコーンを食べながら歩いている女性を見かけ、そのスタイルが「カッコいい」と純粋に思いました。
ポップコーンの経験がないので、アメリカからポップコーンマシンを買って作りました。窯の中に豆と油とフレーバーを入れると豆が加熱されて、ポンポンと音を出してはじけます。はじける音がしていい匂いがして、その様子がおもしろく食べてもうまいFUN FOOD、五感が激しく刺激されました。そして、子どもたちが実際に作る工程を見て食べたら笑顔にならないわけがないとも思いました。
大泉:
戦争が世界各地で起きて銃声が響いていますが、その銃声をポップコーンがはじける音に変えることができれば「笑顔につながる」そういう世界を作りたいと思いました。
石川さんも世界を歩いて子どもの笑顔に触れたとか、石川さんの料理を食べて笑顔になった、そんな経験はありますか?
石川:
「子どもと食」について、フィリピンで化学調味料無添加のパスタソースのマーケティングを実施したことがあります。すると、興味は示してくれますがフィリピンでは、刺激的な化学調味料の味が広がっている。幼少期から刺すような味に慣れているのか、美味しいけれどパンチが足りないというような答えが返ってきました。それにコストなどもあって現地で化学調味料無添加は厳しい。
化学調味料はすべて悪いとは言いませんが、ナチュラルな味への壁も大きいと感じました。そのフィリピンの旅ですが、現地と日本のものをアレンジして料理をプレゼントすることで笑顔はできました。大泉社長は地球を笑顔にしたいを掲げ着々と事業展開していますが、今後につながる夢や目標は?
ポップコーン屋さんになると宣言する子供も!
大泉:
戦争で子どもに笑顔がないところで、ポップコーンを作り子どもたちに笑顔を、というのは実際にはそう簡単にはやれません。そこで始めたのが赤羽にある児童養護施設でポップコーンを作って配ることです。
ポップコーンはできるまでの工程を「見て楽しみ」「食べておいしい」FUN FOODです。これを実践すると施設の子供たちはすごく喜んでくれて、作り方を教えてとかポップコーン屋さんになると宣言する子供もいたほどです。
先程、化学調味料の話がありましたが気になります。それに自分たちの小さい時より、今はアレルギーの子供も増えています。昔はなかったものが増えて、食べているものの影響ではないか。
大泉:
ここで目を向けているのがオーガニックです。人々を本当に笑顔で満たすにはオーガニックに切り替えて一般消費者に届けたい。オーガニックでやっている農家の人たちとも繋がりをもって、そういう人たちが潤うような仕組みも作りたい。持続可能な地球環境を作るのがオーガニックで大人も安心と安全で笑顔になればと願っています。
石川:
オーガニックにこだわっても材料調達やコストなど、すべてそれでこなせるか難しい部分もあります。オーガニックを心掛けても食卓で食べる際、そういうことばかり言っていたらおもしろくなくなります。マインドとしてはオーガニックにこだわりながらも、たまにはケミカルと付き合い、食卓の笑顔も大切にしていきたいと思います。
「飛行機」に夢を、発酵ドリンク「KOMBUCHA(コンブチャ)」に着目
大泉:
ところで石川さんはどのような夢を持っていますか?
石川:
「飛行機を飛ばすことです。飛行機が好きですから」
仕事で世界35か国を回りビジネスでの繋がりもできましたが、そこを結んでくれたのも飛行機です。
すぐに飛ばすのは無理でも飛行機にかかわる事業をしたい。飛行機の見せ方にかかわる事業とか、機内食やサービスのあり方もそうです。
例えば、機内食ですが日本は食の幅が広くアレルギー対応やハラルのような宗教配慮はまだ十分ではありません。そういった選択肢を充実させる仕事もあります。
大泉:
私と海外との繋がりでは、アメリカからポップコーンマシンを輸入して販売している実績があります。これでアメリカの機械の輸出元は笑顔になりますが、この笑顔は少し違う。一方、日本は「ものづくり大国」だけに、良い機械が一杯あります。それらは十分世界に知られているとは言えません。そうした日本のいいものを世界に発信していきたい。
それと大泉工場は埼玉県の川口市にあります。鋳物産業は衰退し、今は東京のベッドタウンになっています。町の個性がなくなり、世界からいろんな人が集まるような町ではなくなっています。そこで自分がお世話になった川口の良いものを世界に発信していくような仕事もしたい。
石川:
各事業でポップコーンやジュースを柱にしていますが、大泉社長がこれからやりたいことは?
大泉:
先程の日本では食の選択肢が少ないという話ですが、例えばベジタリアンやハラルなどについての情報を発信する、コンサルティングのような仕事もやれたらと思います。
現在、力を入れているのが、お茶を発酵させたヘルシードリンク「KOMBUCHA(コンブチャ)」です。紅茶キノコが韓国経由でアメリカに持ち込まれたと言われているもので、名前が紛らわしいですが、日本の昆布茶とは別物です。乳酸菌、ポリフェノールなどが入っています。腸内環境を整えるので、お通じが良くなったとリピーターのお客さんが増えています。必ずブームになります。
大泉:
石川さん、今日は貴重なお話を色々とありがとうございました。
第1回目の対談でしたが、今後は何か石川さんとご一緒できるような動きが出せれば、何か化学反応が起きるかもしれませんね。また、お会いできる日を楽しみにしています。