こんにちは、Natsukiです。
10月中旬に差し掛かり、やっと秋らしい過ごしやすい気候の日が訪れてきましたね。
今回は、10月13~15日OKS CAMPUSで上演される「シン・タイタス REBORN」に因みまして!
なぜOKS CAMPUSでシェイクスピア演劇を上演するに至ったか、その背景ストーリーを皆さまへお伝えできればと思っております。
OKS CAMPUSとの出逢い
まずは何よりも、現社長が元鋳物工場跡地を拓かれた場 OKS CAMPUS として新たな価値を創造、そして私がその OKS CAMPUS と出逢ったことが発端。
私が初めてOKS CAMPUSへ訪れたのは2022年1月。
CAMPUSに足を踏み入れ、WAREHOUSEの中に入った瞬間 「この場所で舞台芸術作品を上演しよう」
そう心の中で、まだ社員にもなる前に勝手に決心したのがすべての始まりでした。笑
そして4月に大泉工場へ入社。
入社後CAMPUSを活用した学びのイベントを企画運営していく中で、絶対必須で取り組みたいと考えていた「文化芸術」部門の企画パートナーとして相談を持ち掛けたのが「*シアターカンパニー・カクシンハン」(以下カクシンハン)でした。
*シアターカンパニー・カクシンハン
2012年に演出家・木村龍之介が結成し、2020年までにシェイクスピア作品を中心に30作品以上の公演を発表。
2020年に劇団からプロデュース体制に移行し、今まで以上に多種多様な文化芸術との融合や伝統芸能とのクリエイションに力を入れ、
日本人特有の感性とシェイクスピアの本質を掛け合わせた現代東京らしいシェイクスピア作品の創作を続けている。
社会活動も活発に行っており、社会人や子供向けにシェイクスピア演劇を用いたワークショップなども積極的に実施している。
カクシンハンとの出逢い
そもそもカクシンハンとの出逢いはというと…
これまた不思議なご縁が幾度となく連なり合い、現在に至ります。
本当に最初の出逢いは、実は2016年にまで遡ります。
というのも私が初めてシェイクスピア作品を観劇したのが7年前、当時カクシンハンが上演していた「ジュリアス・シーザー」なんです!
学生だった当時、何故だかふと「シェイクスピア作品を観てみよう」と思い立ち、何を観ようか様々な劇団を調べている中で直感的に惹かれ足を運んだのが、カクシンハンの「ジュリアス・シーザー」でした。
全くの前情報なしでの初シェイクスピア作品観劇。
聞きなれない長台詞の数々で理解が追いつかないところもありましたが、ガツンと衝撃を受けたことは鮮明に覚えています。
だからこそ「カクシンハン」というワードが私の中にはっきりと刻みこまれ、現在に至るのだと思います。
しかし当時は特にカクシンハン関係者に知り合いがいるというわけでもなく、ごく普通に一観客と劇団というだけの関係でした。
月日が流れ、カクシンハンとの距離が急激にぐっと縮まったのが2年ほど前。
たまたまボディーワークのワークショップ(身体探究が趣味で、暇があれば様々なワークショップなどに参加しています)で岩崎MARK雄大さんと知り合ったのがきっかけでした。
岩崎さんが自己紹介で舞台俳優をしていますとおっしゃっていたので興味を持ち、どのような作品に出演されているのか尋ねると、
直近で野田秀樹さん率いるNODA・MAPの「フェイクスピア」に出演されていたとのことで大興奮!
なぜならちょうど数日前、久しぶりに私が観劇した作品が正にその作品だったのです!
そしてそこからお話を聴いていくうちに、シェイクスピアを主に上演しているカンパニーにも携わっているとのこと。あれ?それって…と自分の中の直感が働き
「もしかしてカクシンハンという劇団ですか?」とお聞きするとビンゴ!
(ちなみに更に驚いたのが、岩崎さんが私の出身中高の姉妹校ご出身だということ!校長が同じだったので、その話でも盛り上がりました。笑 ご縁って不思議ですね。)
そこから岩崎さんとはお互い身体探究が趣味ということもあり意気投合。
身体探究仲間も含め仲良くさせていただくようになりました。
そうこうしている内に私がOKS CAMPUS・WAREHOUSEで舞台芸術作品を上演しようと勝手に決心し(笑)、 大泉工場へ入社。
WAREHOUSEで作品上演するにあたってどんな団体へお声がけしようか…と考え始めてすぐにピンと来たのが「カクシンハン」でした。
学生時代に一度しか観劇していない劇団でしたが、演出の木村龍之介さん、岩崎さんらが率いるカクシンハンとWAREHOUSEという場が掛け合わされば、絶対に面白い作品が生まれるに違いない! という根拠のない自信がありました。(ちなみにこの時木村さんとの直接の面識はまだありません。笑)
また、もう一つカクシンハンにお声がけさせていただこうと思った理由は、彼らが主に「シェイクスピア作品」を扱い、シェイクスピアの講座なども一般人向けに開催していることもありました。
なぜシェイクスピア作品なのか
私がシェイクスピア作品をOKS CAMPUSで上演したいと思った理由は主に二つ。
一つは大泉工場が運営する「well-beingの探究」をテーマとした学び場JUKUBOXで企画するにあたり、「演劇」そして古典といわれる「シェイクスピア作品」は「コミュニケーション」や「人間の本質」について考え、学ぶ題材に適しているのではないか、と感じたからです。
そしてもう一つは、ロンドン・グローブ座で私自身が体感した感動を OKS CAMPUSで体験してみたいという想い。
私は2017年-2020年までイギリス・ロンドンに住んでいたのですが、その際何度も足を運んだグローブ座での観劇体験を日本でも体験したい、という想いがありました。
シェイクスピアの本拠地ロンドン「グローブ座」
グローブ座とは、シェイクスピアの名作の多くが初演された、シェイクスピア劇団の本拠地です。
といっても2度姿を消しているのですが(詳細は割愛します)、アメリカ人俳優で監督のサム・ワナメーカーが23年間に渡り資金集めをし、
1997年に元の劇場から200メートルほど移動した場所に再建。(彼自身は劇場の完成を待つことなく亡くなってしまったようですが…)
再建から20年以上たった今でも、この劇場の人気は絶大で、世界中から老若男女問わずたくさんの人がシェイクスピア作品を楽しみに訪れています。
(写真:https://www.instagram.com/the_globe/?img_index=1)
2019年グローブ座で上演された「A Midsummer Night’s Dream」開演前の様子(写真:Natsuki)
劇場は、かつてシェイクスピアが活動していた時代のものが忠実に再現されています。
グローブ座の1階は屋根なしの立ち見席、2~3階が桟敷席。
一番安い立ち見席はなんと約5ポンド!一般の民衆~貴族が階級関係なく、「同じ空間で同じ作品を観劇する」という特殊な劇場。
(その分劇作家はあらゆる階層の人に受け入れられるような戯曲を、工夫を凝らし書く必要があったそう。)
劇場の中央は採光を意識した造りで屋根がなく、基本的に雨天決行のため、雨が降れば立ち見席の観客はレインコートを身に着けての観劇。
今でいう野外音楽フェスのような感覚です!
毎日開場前に先頭にならび、立見席の一番前の場所取りをしている名物おじさま(写真:Nastuki)
子どもから大人まで、老若男女楽しめるお祭りのような活気のある空間。
そして役者と観客の垣根を超えるワクワク・ドキドキする演出の数々。
この臨場感を体感できる空間をつくってみたい。
その想いもあり、岩崎さん、そしてカクシンハンへお声掛け。
想いと勢いだけしかない、企画プロデュース経験0の未熟な私の企画に賛同して下さり(本当に感謝しかありません)、そこから様々にご一緒させていただくことになりました。
2022年7月 WAREHOUSEでの打ち合わせ(写真:Nastuki)
これまでカクシンハンと企画したイベントの数々
そんなこんなで昨年から、木村さん・岩崎さんはじめ、カクシンハン関係者の皆さまとご一緒させていただいておりますが、何せお互い初めてのこと尽くし!
試行錯誤しながら「OKS CAMPUS」を遊び場に、様々な企画を実施してきました。
(企画の開催を見守ってくださっている現社長には感謝しかありません。文化はこういう場と人の関係性の中で発展していくのだろうと日々実感しております。)
どんな企画を行なってきたのか、せっかくなのでまとめていくつかご紹介いたします!
誰でもシェイクスピア講座
CAMPUS内の日本家屋を教室に開催したシェイクスピア講座。
お堅い難しいイメージのあるシェイクスピアですが、演出家・木村龍之介さんの導きで、子どもから大人まで楽しんでいただき大好評!
(シェイクスピアや演劇に苦手意識がある…という方にこそ、木村さんのお話を聴いていただきたい!)
講座の中ではみんなで有名なワンシーンを演じてみたりも…!
気になる方はカクシンハンが定期開催している「演劇の学校」をのぞいてみてください!
講座の様子(写真:Nastuki)
(ARTISAN) FARMERS MARKETでのゲリラ・ミニパフォーマンス
OKS CAMPUSで開催しているマーケットイベント内にて、ゲリラパフォーマンスを実施!
シェイクスピアの代表作である「ロミオとジュリエット」の有名なバルコニーシーンや、
ハムレットの「生きるべきか死ぬべきか、それが問題だ」の名台詞を含む独白シーンなどを、贅沢にもプロの俳優である岩崎MARK雄大さん・淺場万矢さんに演じていただきました。
ロミオとジュリエットのバルコニーシーンの後には、釘付けになって観ていた子どもたちが、「ジュリエットと一緒に消えたロミオを探しに行く!」
という、その日その空間限りのかわいいオリジナルシーンが誕生した記念すべき一日となりました!
「ロミオとジュリエット」バルコニーシーン(写真:Nastuki)
消えたロミオを探しにジュリエットと一緒に走り回る子どもたち(写真:Nastuki)
JUKUBOX×カクシンハン企画
ドラマチックに見えて実は徹底された人間観察により描かれたシェイクスピアの作品には、私たち人間の本質が、そこには鮮やかに描かれている。
そんなシェイクスピア作品を通して、私たちの暮らしに活きるメッセージをカクシンハンと一緒に紐解いていこうと始めた、JUKUBOX×カクシンハンの【人間探究のための体験企画】
企画は「トーク+観劇」の2部制でお届けしました!
(この企画の背景にはもう一つ、コロナ禍で発表の場を失ってしまった若手俳優たちの表現実践の機会創出ができれば…という想いもあり実施しました。)
ゲストに二重作拓也さんをお迎えしてのトーク+倉庫deカンゲキ
(写真:Natsuki)
二重作拓也さんの新著書「パフォーマンス医学」はこちら。
そして遂に今回…満を持してのカクシンハンの本公演をWAREHOUSEにて上演!!
2度の中止を経ての「シン・タイタス REBORN」
コロナの影響により2度の中止を経て、遂に上演。
劇場とは違う、OKS CAMPUSでしかできない!
倉庫という空間を最大限に活かしての臨場感ある観劇体験をカクシンハンがお届け!
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シェイクスピア史上最も残虐な物語のため
中々上演されない作品「タイタス・アンドロニカス」を
主演に金春流能楽師 山井綱雄さんを迎えて上演!
他にも落語家やオペラ歌手などの伝統芸能の力を存分に使い
前衛的で名高いカクシンハンが
OKS CAMPUSのWAREHOUSEを貸し切って
サーカスのような異種格闘技戦を古典でまとめ上げる!!!
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生で観劇できるのは3日間、4回のみ!!!
まだ間に合います!この機会を是非お見逃しなく!
■チケット予約:https://stage.corich.jp/stage/278677
また、コロナ禍で中止となった海外公演実現のためのクラウドファンディング実施中!
リターンには、今回の倉庫公演をプロによる5カメ・編集した映像作品なども…! 詳細はこちら。
JUKUBOXでは「シン・タイタス REBORN」にも出演される演出家・俳優の淺場万矢さん、
原田理央さんをお迎えして、子ども対象の演劇ワークショップ講座を開催いたします!
こちらも是非チェックしてみてくださいね!
10月29日 「聴く力、伝える力を育てる!子どものコミュニケーション講座」
地域の密な交流の減少や核家族化などで大人と子ども、子ども同士のコミュニケーション不足が
危ぶまれている中で重要となるコミュニケーション能力を、楽しく体験的に学んでいきます。
■詳細・予約:https://oks-jukubox.com/seminar/communication-theatre-kids/
他にも様々な企画をご用意しておりますので、是非一度OKS CAMPUSへ足を運んでみてください!