「食べることってどういうこと?」

改めて「食」に向き合った2023年9-10月のお話(9月編)。

季節外れの暖かさに加え、ある日起きたら肋にヒビが入っており、
運動が全くできない身体になってしまい
体力・筋力の減少に大きな不安を抱えている、KANです。

まぁ、KOMBUCHAやPlant Based Foodのおかげで、
体調は相変わらず、過去一番調子がいいのですが。

さて、2023年の秋は、とても短かったなと思いを馳せながら、
「食」と向き合った9-10月を回顧したいと思います。

とてもいい意味で怒涛だった、2ヶ月。

2023年9月、縁があり、フィンランド大使館商務部主催の、
プラントベースフードプロモーションツアーに参加しました。

約1週間、ヘルシンキ〜タンペレにおいて、12のプラントベースフードメーカー企業と商談、
厳選されたPlant Based Restaurantを5つほど巡りました。

食べること1
フィンランド第二の都市Tampere。フィンランド内で10年連続、住みたい街ランキング1位を獲得するくらい、美しすぎる街で、イノベーションも盛ん。

フィンランドは、国土面積が約338,424㎢、70%以上が森に覆われ、
10%が湖や川などの水域となっており、まさに森と湖の国。

国土は日本に対して90%程度小さいだけですが、人口は約550万人と、
日本の約5%。つまり人口密度が、めっちゃ低い!

もちろん、北部に行けば北極圏となり、人が住める地域も少ないのですが、
首都ヘルシンキの人口でも65万人。一人一人のスペースが広くて生活水準が高く、
自然豊かで美しく、しかも教育水準も高い。

世界一幸せな国と言われています(実は自殺率も高いという側面もありますが)。

自分はフィンランド発祥の「サウナ」文脈で、かれこれ2015年から毎年のように訪れており、
不思議な親近感が芽生えてしまった国の一つです。

食べること2
2015年、サウナの本場フィンランドデビューの様子。。。真っ裸です笑

そんなフィンランドの農産物として注目すべきなのは、オーツ麦。
世界有数の生産国であり、輸出量はカナダに次いで世界第二位。

そして何より品質がとにかく高いと言われています。

なぜ品質が高いのか?
それは、北欧のキレイな水と、夏の日の長さ、そして冬の厳しい寒さという環境要因があります。

あのキシリトール(オーツ麦を加工する過程で生まれる副産物で作る代替甘味料)を
生み出したのも、フィンランドなんです。

さらにフィンランドでは、2017年から食用昆虫パンの販売がスタートされるなど、
食のイノベーションに対して、消費者による新しい食べ物への受け入れ度合い
(Consumer acceptance)が高いことも注目すべき点。

さて、本題のプラントベースフードツアー。

北米などと同じく、日本とは比べ物にならないほど、スーパーマーケットでは、
プラントベースのプロダクトを見つけることができました。

コーナー展開されている冷蔵ショーケースでは、近年注目の代替肉から、
フィンランドの伝統料理のカレリアパイまで、ありとあらゆるプロダクトが
植物由来で用意されており、市場の広がりを肌で感じることができます。

ちなみにKOMBUCHAも、以前とは比べ物にならないくらい、棚が広がっていました。

食べること3
スーパーでは大きくコーナー展開されている、簡単に食べられるプラントベースインスタントフード

現在、フィンランド国内のヴィーガン(完全菜食主義)人口は約1%、
フレキシタリアン(時々vegan)人口は約50%と言われており、ほとんどのレストランやカフェで、
ヴィーガンオプションが用意されています。

商談した企業は、老舗から新興まで、幅広いラインナップ。

注目ポイントとして多く挙げられていたのは、日本、
そして世界と同じく「プロテイン」「グルテンフリー」。

代替フードではチーズなどもありました。

各メーカーが、フィンランドの資源の素晴らしさをよく理解し、
made from Finlandのクオリティの高さを、プレゼンテーションしてくださいました。

さすがは森と湖の国。
加えてデザイン性の高いパッケージ商品も多く、素材とともに見せ方も計算されている、
まさに北欧のプラントベースフードといった感じでした。

食べること4
にんじんをサーモン風に味付けし、おしゃれな缶詰に。かわいい!

しかし今回のツアーで、自分の感性を揺さぶられたのは、
フィンランド(もしくは欧米全体に言えることかもしれませんが)における
「食事」への向き合い方。

冒頭でもお伝えしたとおり、フィンランドではどのレストラン、カフェにも
潤沢にヴィーガンオプションが用意されていました。

一方、「100% VEGAN」というお店は、あまり見受けなかった。

これがどういうことを意味するかというと、食事はそれぞれ選ぶ権利があり、
それを店側が制限しないということ。

肉を食べる人の横で、魚を食べる人、野菜のみを食べる人、、、多種多様な食の選択があって、
良いではないか!という思想が、あるんだなということを感じました。

同じテーブルで、自分が望むものを選択する(選択には責任を伴う)。
あんまり難しく考えすぎず、自分が何を望むかを明確にして、食事を楽しんでいるだけなのですが、
意外と日本にいると、気づかないことでした。

たべること5
Veganフレンドリーなカフェ「Green Hippo」。チキンバーガーなども普通にラインナップ。

ただ、1110 CAFE/BAKERYをはじめとする
100% Plant Based Cafeやレストランを否定する気もありません。

みんながそれぞれ、自由に気持ちよく、「食」を選択できる世の中に
なっていったらいいなと感じた次第です。

https://1110cafe-bakery.com

次回のコラムでは、フィンランド最大手のKOMBUCHAブランド「the good guys」の
ブルワリーの様子や、ストックホルムでの素敵な出会いをお届けしたいと思います。

>>>後編に続く

ABOUTこの記事をかいた人

大泉寛太郎

1981年生まれ。 学生時代より、イベントチームやフットサルチームの立ち上げ、BarなどでDJとして活動。 大手商業施設でテナントリーシングや営業企画、PR、広報など幅広い分野を経験したのち、2008年大泉工場入社、2012年より現職。 アジアからオセアニア、ヨーロッパ、北米、アフリカと世界中を飛び回り、地球の「今」を体感。 「地球を笑顔で満たす」というMISSIONを掲げ、日々、いかに「素敵な環境を創造するか」自問自答しながら生きている。 にゃん丸という愛猫と二人暮らし。