こんにちは！デザイン周りを担当しておりますPRのJUNです。
大泉工場の掲げる『地球を笑顔で満たす』『素敵な環境を創造する』に共感して一緒に働いています。
今の季節は、二十四節気でいうと冬至 とうじ （12/22〜1/5ごろ)一年でもっとも昼が短く、夜が長い頃。コラムを書いている数日は、本格的にしっかりと冬の寒さになってきました。風邪などには気をつけていきましょう。それと年末の飲みの機会が多いかと思いますが、_SHIP KOMBUCHA飲んで整えもお忘れなく！
さて、今回は「デザインの遊び心 vol.3」として、続きシリーズ第三弾。自分の好き・気になるを中心に展開しつつ、遊び心の発想の選択肢を紐解いていきたいと思います。デザインについての役割は様々あるものですが、ここでは特にデザインの役割を中心に感じてもらえたら嬉しいです。
遊び心の発想の選択肢
シリーズ冒頭定番となっていますが、遊び心のデザインを発想する上での選択肢を整理するとこからスタートしてみたいと思います。大きく分けて8種類、細かく分けて２1種類（ aからu )に分類し、各ジャンルごとに紹介していきます。 ＜図参照＞
今回のコラムでは、kからoをご紹介したいと思います。（薄ミドリの枠）
aからfをと思った方は、先々月のコラム,gからjをと思った方は、先月のコラムをチェックしてみてください。
3.「推移」ーk.視点の推移 SHIFT：VIEW
だまし絵やそれに同様のものを利用したテクニックです。上下が逆さまになったり、前後が逆になったり、現実のことがちょっと視点を変えてあげることで、芸術と言われるものになったり・・・。違う見方を促し、謎めいた世界に積極的に足を踏み入れてもらうことができます。
Alex Chinneck イギリス 2013年
「The Upside Down House(逆さまの家）」偽物のファサードを使ったインスタレーション。
福田 繁雄 日本 1975年
京王百貨店の「Shigeo Fukuda」展のポスターの一部。ポジとネガが戯れる。
3.「推移」ーl.だまし絵 TROMPE L’OEIL
本物と偽物とが混在。錯覚と現実が入り混じるデザインや、錯覚と現実の一方が他方になりすますように技巧を凝らしたデザインが中心になります。目で見ているものを頭の中で処理するのに時間がかかるのでメッセージは記憶に残りやすくなります。この手法は、作り手の独りよがりにならないように注意が必要ですが、ブランディングの中盤部分では非常に効果的です。
Miami Ad School ドイツ 2011年
「FedEx：Always first（常に先を行くフェデックス）」。
Magpie Studio イギリス 2010年
印刷会社Gavin Martin Colournetの校正原稿用バック。どの配達員も思いがけないものに変わります。
（自分は、周りをほっこりできる、一変できるデザイン、アイデア大好きです！）
3.「推移」ーm.文字通りの解釈 TAKING IT LITERALLY
面白いアイデアに至る便利な近道であり、普通は抽象的なものから具体的なものへの移行を伴います。この場合のデザインは謎かけではなくて、頭の中でアイデアが思い浮かぶと即座にピンとくるものです。つまり、目的をそのまま使うような結果になることです。
オーストラリア 2002年
もしも書体が犬だったら。Grafisches Buroによるポスター。
（組み合わせが分かると腑に落ちるが一方で、納得するまで時間がかかるので、よりキャッチーなヴィジュアルが向いている感じがします。）
4.「推測」ーn.ミッシングリンク MISSING LINK
優れたウィットは自ら説明せず、観る人に欠けている部分を埋めるように促します。その答えは時間とともに自ずと明らかになるご褒美のようなものかもしれないし、思慮深く観る人に対しての理屈のようなものかもしれません。ただ、自らが完結した時は、その人の心に印象ずくことになる手法でもあります。
Matt Dent イギリス 2008年
英国造幣局のための、イギリスの硬貨の紋章のデザイン。全部一緒に並べると特別な仕掛けが現れる。仕掛けがあると、一人歩きで広まっていく効果があるのと、コレクター心をくすぐる意味でも、面白い戦略が組める手法です。
作り手は、やりすぎないバランスが大事だと考えます。
The Jenkins Group イギリス 1975年
ホリデー休憩のお知らせ。時計の針の部分がなくても、この画像は超現実主義的な意味を成します。このウィット感を噛み締めてください。分かりやすいミッシングリンクです。
4.「推測」ーo.語呂合わせと判じ絵 PUMS & REBUSES
語呂合わせは、音が似た２個の単語の異なる意味を利用する。そのメカニズムを「２本の思考の糸が音響の結び目で結ばれる」と優れたウィットで言い表すことができます。語呂合わせに使われているそれぞれの言葉が、伝えたいメッセージと関係が深いことが大切な要素になりそうです。判じ絵も同様で、文字と絵の組み合わせたパズルの解読を観る人に促します。
※1判じ絵・・・絵に隠された言葉を判じて当てるクイズで江戸時代に流行した言葉遊びです。
Milton Glaser アメリカ 1975年
ニューヨークのスローガン。グラフィックのウィットの中で、おそらく世界で最も有名で、最もよく模倣された作品かもしれません。
（このフォント[American Typewriter]は、タイプライターで打った時のインクが滲んだかのような丸みのディテールが文字に親しみやすさを持たせ、デザインに詩的な雰囲気なフォントです。個人的には最も好きなものです。）
今回のコラムは、ここまでにします。
次回は「デザインの遊び心 vol.4」のシリーズ最終章になる予定です。次回も一緒にTRIPできたらと思います。
皆様、良いお年をお迎えください！
