2023年のコンブチャワークショップを振り返って

_SHIPの門田です。
僕が担当になり約2年、毎月1回大泉工場NISHIAZABUでコンブチャワークショップを開催しています。

●コンブチャワークショップを作り手が行う理由

コンブチャを作りながらもワークショップをする理由は、コンブチャの味を楽しんでいただくのももちろんですが、コンブチャ作りの楽しさを知ってほしいという想いがあります。

1970年代頃に流行ったといわれる「紅茶キノコ」をご存じの方も多いと思いますが、そのお話をされる方から紅茶キノコが美味しかったという方に僕はまだ出会っていません。

紅茶キノコの時代はおそらく、「良薬は口に苦し」という言葉があるようにきっとおいしく作れた人は少なかったのではないかと想像します。
そのお話を聞くたびに僕はちょっと残念な気持ちになるんですよね。

きっと今みたいに作り方をネットで調べて比べることもなければ、どれが正解かもわからず、身体によいという理由で作られていたのではないでしょうか。

でも、少し気を付ければコンブチャはある程度美味しく作れます。なので、紅茶キノコの時代もきっと美味しく作れたはず。

まだまだ日本ではカタカナの「コンブチャ」の認知は低いですから、初めてのコンブチャが_SHIPのコンブチャだったという方への印象は非常に大事で、ここでの印象がこれからのコンブチャ自体の未来をも左右するとかなり重く受け止めています。笑

●皆さんがコンブチャの発信者になる!

_SHIPのコンブチャが生産量を伸ばす中で多くの方から、自宅で発酵食品としてコンブチャを作ってみたいというお声を頂くことが増えてきました。コンブチャが一般的に知られていない中で、ある一方では深くこのコンブチャの発酵と向き合いたい方々が年々増えているのは、紅茶キノコの時代を彷彿とさせる草の根的に広がっていく、大きなうねりを感じています。

過去の二の舞にならないように、作り手として正確な情報を共有することで、次の場所で作られるコンブチャがその周りで面白さや美味しさがさらに伝播し、「コンブチャは美味しい」という印象がたくさんの人に伝わるといいなと思っています。

●コンブチャというドリンクの面白さは美味しいだけじゃない!?

コンブチャは発酵という技法を使ってわざわざ時間かけて作ることになります。
作り手だけでな空気中の微生物の協力も仰ぎながらコンブチャは糖類を消化しながら、味のもとになる有機酸やビタミン類を積み上げていく作業の成果です。

ビールは空気になるべく触れずに発酵させますが、コンブチャは空気に触れながら発酵するので作る場所によって味わいが変わるのも特徴。
なので、作る場所が違えば味も違います。

ご自身の生活の空気と共に作り上げていただくそんな楽しみを少しでもお伝えできたら、ワークショップに参加された方が、どのような過程を得てコンブチャが出来上がったのかを強く実感した結果、自然とご自身の言葉でコンブチャの魅力を伝えてもらえると信じています。

●コンブチャワークショップで大事にしていること

長くなりましたが、2023年は12回ワークショップを開催しました。

この1年でワークショップの内容を少しづつ改善しながら続けていますが、変わらず僕が大事にしていることは「楽しむこと」と「体感」です。

まずは「楽しむこと」。
ワークショップの中で、ベースとなるお茶を約3種類ご試飲いただきお選びいただきます。決まったお茶で作っていただくのも良いのですが、選ぶ行為ってワクワクしませんか?
1つ1つの選択にもご参加いただいた方が楽しんでいただけたらなと思っています。

また、ワークショップ中楽しんでいただくのはもちろんですが、ワークショップ後にコンブチャを育てていく中で「これって大丈夫かな?」という疑問が出てくることもあると思います。

その時は、インスタのDMで写真と共にご相談いただけるサポートを行っています。
また、失敗してしまった際には、改めて新しいスコビーをお渡ししたりもしているので、継続して楽しんでコンブチャを作り続けていただけるような体制ができるように対応しています!

もう1つ大事にしているのは「体感」です。
スコビーは酵母や微生物の集合体なので温度にとても敏感。

ただ、私たちのワークショップでは細かく温度を測ること以上に、皆さんそれぞれの体感で温かい、冷たい、ぬるいなど感じていただくようお願いをしています。
さっと温度計を出すだけで簡単にお茶の温度がわかる世の中ですが、僕がお伝えするのはご自身の体感。

僕が小さい頃、ちょっと体調良くないな…と思ったときに、お母さんがおでこに手を当てて「微熱がある」とか「これは37度超えてる」など体温計を使わずに判断していました。あれは日々子どもの体温を把握しているからこそわかるものですよね。

わが子とまでは言わないまでも、コンブチャのスコビーが良く動く温度やちょっと寒いかなという温度が体感でわかるようになっていただけると嬉しいなと思っています。
便利な世の中だからこそ、ご自身で感じる温度や香りや様子を見て感じていただけたら嬉しいと勝手ながら思っています。

●2023年を振り返って

この1年でコンブチャワークショップにご参加いただいた方に食事に誘って頂いたり、その延長でラジオに出演させていただいたりと色んな出逢いがありました。

私と参加されていた皆さんの関係だけでなく、ワークショップでご一緒された方々同士が仲良くなり、「お茶して帰りました!」という感想をいただけたことも。

コンブチャを通じて色んな方が繋がっていただけるのは、想像していなかった嬉しい出来事でした。2024年もコンブチャを通して僕だけではなく色んな方々の繋がりが連鎖していったらいいなと思っています。

2024年もコンブチャワークショップは開催していきます。
2023年はコンブチャブリュワリーがある川口で2度ワークショップを開催しましたが、また来年も機会があれば川口でも開催できたらと思っています。

コンブチャをもっと知りたい!という方はぜひコンブチャワークショップもお越しください。

ワークショップの時間は1時間30分ですが、私が話過ぎるので時間内に収まらない会もあったりします(笑)もちろん、1時間30分で帰りたいのに引き留めることはありませんのでご安心を!

2024年の第1回目のワークショップは1月27日(土)!
ご予約受付中です。

2023年最後のワークショップが終了したので、折角の機会だと思い振り返ってみました。

もう早いもので年の瀬、今年お会いできた皆さま関係各所の皆さま、ありがとうございました。

2023年12月31日 門田

ABOUTこの記事をかいた人

Hajime Kadota

_SHIP KOMBUCHAブリュワー。 ファッションの専門学校を卒業後、日本特有の本藍染技術に魅了され京都の工房で藍染職人として着物や有名アパレルブランドの藍染を行う。 お客様へ自身が発酵に携わった製品を届けたい想いが強くなり、お茶を発酵させたスパークリング飲料「コンブチャ」と出会い、大泉工場へ入社。 自身がアルコールが得意ではなく、アルコールを飲む人も飲まない人も楽しめるような飲料を作りたいと想い2020年から_SHIP KOMBUCHAのブリュワーへ。 大切にしているのは「誰も取り残さない世界」。 アルコールもノンアルコールも同じ世界で楽しめる世界をつくりたい。