プラスチックは美味しいですか?

勢いで買ってしまったAPPLE VISION PROを使い倒すために、片っ端から、知人に貸し出しをすることを真剣に考えている、KANです(試しに使いたい方は、ご遠慮なくお申し出ください)。

すっかり夏本番の暑さが到来しておりますが、大泉工場では、2016年から会社の近隣に流れる芝川を中心に、川口市領家エリアの定期的な清掃活動をしています。

今の時期は、朝7:00前からスタートしても、終わる頃にはもう汗だく。。。しかし習慣となっている活動ですので、やらないと落ち着かない体になっています。

「素敵な環境を創造し続ける」というVISIONを掲げている大泉工場。環境の定義は幅広く、その一つに、我々が「働く」環境も含まれていることから、こちらの活動<芝川クリーンプロジェクト>は、有志で続けることができております。

今年の5月30日には地域の企業様を巻き込んでの芝川クリーンプロジェクトを行いました

今回は、そんな清掃活動を通じて、自分が感じている社会問題に関して。

ゴミ拾いをしている中で、自分がどうしても気になるのは「プラスチック問題」(吸い殻はレベルが違う規模で落ちているので、こちらに関してはいずれ)。

プラスチック問題とは、その名前の通り、プラスチックに関わる問題。主な問題は下記の三点。

・プラスチックが燃やされる時に温室効果ガスが発生し、地球温暖化の原因の一つとなっている

・原料である石油資源は、採掘量に限りがあるので、使いすぎると資源の枯渇につながる

・大量のプラスチックが河川や海に流れ着き、海洋汚染につながり、生態系に悪影響を与える

この中で、自分が最も気になるのは三つ目の海洋汚染に紐づく問題。

ウミガメがクラゲと間違えてビニール袋を食べてしまっている、ショッキングな写真を見たことがある方も、多いことと思います。

近代において、地球上では年間で800万トン以上のプラスチックゴミが、河川や海に流れついていると言われており、その量は、今のペースでいくと、2050年には、海の魚の量よりも多くなってしまうと言われています※1。

そもそも、毎年世界では約3億トンのプラスチックが生成されているとのこと。そして流出するプラスチックの量は、毎分トラック一杯分とまで言われています。。。※2

また、海洋鳥類の90%以上が、プラスチックを摂取してしまっていることも確認されており、プラスチック片が分解される過程で生じるマイクロプラスチックは、食物連鎖を通じて広範囲に拡散し、生態系全体に影響を与えていることも、事実。

つまり、我々も間接的に、プラスチックを「摂取」してしまっているということです。

動植物にも、人間にも、プラスチックが、不法投棄、つまり適切に処分されることなく海に流れてついてしまい、巡り巡って体内に戻ってきてしまっているという事実を、認識しなくてはいけません。

さらに世界経済フォーラム(WEF)の報告によれば、プラスチック汚染による経済的損失(観光業や漁業に与える悪影響、清掃費用など)は

毎年1300億ドルに達すると推定されています。

こういった海洋プラスチック問題を解決するためには、国際的な協力と政策の実施が不可欠。

2021年から欧州連合(EU)では、使い捨てプラスチック製品の一部を禁止する法律を施行したり、企業やNGOも、プラスチックゴミ削減のためのキャンペーンや技術革新に取り組んでいます。

生態系や経済にも甚大な影響を与えているこの問題

プラスチック袋もペットボトルも、とても便利なもので、もうこれをゼロにして生きていくなんて、ほぼほぼ無理なんじゃないかなと思います。自分は、生み出したもの、使ったものが適切に処理されることで、こう言った問題も、解決につながっていくんじゃないかなと思い、ゴミ拾いという活動をしています。

こういった小さなアクションから、社会全体の問題を皆が知り、大きなうねりになり、持続可能な未来につながればなと願っております。

正しく使って正しく処理をし、誰も美味しいと思わないプラスチックを、すべての生きとし生けるものが摂取することのない未来を、素敵な環境を創造し続けていきましょう。

大泉工場webサイト

※1 The New Plastics Economy: Rethinking the Future of Plastics

※2 WWFジャパンWEBサイト「海洋プラスチック問題について」、McKinsey & Company and Ocean Conservancy(2015)