ブルーカーボンと循環の仕組み

こんにちは、miitaです。

前回のコラムでは、ブルーカーボンとは何ぞや。について解説しました。前回のコラムをまだ読まれていない方はそちらから読んでいただくとわかりやすいのでぜひ読んでみてください。今回はさらに詳しくブルーカーボンの仕組みについてお話していこうと思います。

ブルーカーボン生成までの仕組み

そもそも光合成とは、光のエネルギーを利用して無機炭素から有機化合物を作る反応です。

植物は光合成によって水を酸素に、二酸化炭素をデンプンなどの有機物に変えます。

海洋での光合成でも流れは同じで、例えば藻類のひとつであるワカメは二酸化炭素をラミナランという多糖類に変え貯蔵しています。

ブルーカーボンは、最終的に海洋の植物であるブルーカーボン生態系に組み込まれて循環していきます。

まず①二酸化炭素が海に溶け、「溶解CO2」や「炭酸イオン」になります。そして②それを海中のブルーカーボン生態系が取り込み、光合成をしてブルーカーボンが生成されます。

生成されたブルーカーボンは、海洋生物自体の活動に使用されたり、食物連鎖で動物の身体に移り排出されます。そして再度分解され二酸化炭素に戻り、海に溶けを繰り返し循環していきます。

CO2の長期貯留

しかしブルーカーボンの特徴として、長きにわたって海底に貯められることが挙げられます。枯れた海草や海藻などに含まれる炭素が海底に堆積して貯留される場合と、成長過程で出る、水に溶けた分解の難しい炭素が海中や深海に貯まっていきます。

光合成によって吸収したCO2の多くは植物の生命活動やバクテリアの分解によって最終的には大気に戻ってしまいますが、バクテリアの少ない海底や深海に堆積した残りのCO2は、数百年から数千年もの間長期貯留されゆっくりと分解されていくのです。

グリーンカーボンよりも優れている

陸地にある森林等をグリーンカーボンと呼ぶのですが、これは木々の中にCO2が貯留され、成長した分だけCO2貯留量が増えたとみなされます。しかし、現在の日本の森林は老齢化が進んでいるため森林の成長速度も遅く、吸収量も減っていて、伐採や山火事によってすぐにCO2が大気に戻ってしまうのが難点です。

そんな日本のグリーンカーボンと比較した場合、1面積あたりのCO2貯蓄量は同じ程度ですが、海底に溜まるブルーカーボンはより安定的で長期的な貯留能力があると言えるのです。

ブルーカーボンの課題

そんな地球上の30%のCO2を吸収してくれているブルーカーボン生態系ですが、年々減少しており、年間平均で2~7%も減っていっています。このまま減っていった場合、約20年の間に全てのブルーカーボン生態系が失われてしまうスピードです。この素晴らしいブルーカーボン生態系を守っていくには、今後さらなる保全と育成を世界規模で行う必要性があります。

大泉工場の取り組み

私の所属する株式会社大泉工場では、再エネ100宣言へと参加を表明し、使用する電力を再生エネルギーに切り替えております。

また、2024年度中を目標に敷地内で使用する電力全てを自家発電に切り替えるというプロジェクトも随時進行中です!

また「RECYCLE STATION」を設置するなど、身近な二酸化炭素(CO2)の根本的な削減に向けて日々取り組みを行っています。