こんにちは、_SHIPブルワーの門田です。
みなさん、胃カメラの検査を受けたことありますか?
大泉工場で「地球を笑顔で満たす」という企業理念の元、様々な活動をしておりますが、
それには自分自身の心身共に健康であることが大前提です。
今年の健康診断ではより正確な情報を手に入れるために胃カメラの検査を受ける事にしました。
まず、人生で初めて検査を受けた経験だけで申し上げると、
めちゃめちゃ良かった。
あまりに目が覚める体験で、体験談を書きたくなってしまいこちらの場所をお借りして発表させて頂きます。
学びはあるのかないのか、悪しからず。
今回のコラムはそんなこんなの体験談と大泉工場にはこういう人もいるんだという認識で気軽にお付き合いください。
きっかけは母の進言でした。
年齢を重ねる毎に母の勧めに素直に従えてくる感覚があるのは僕だけでしょうか。
息子の健康を気遣う愛情が、異様に胃カメラ受診に注がれた2024年。
僕は母の愛情と気遣いというプレッシャーに耐えかねて、健康診断と併せて胃カメラを申し込みました。
知らない方のためにお伝えすると、胃カメラの検査を申し込むときに、
内視鏡をどこからいれるか決めないとダメです。
『鼻』or『口』
検査前は口から入れるとこんな顔になるんじゃないかと妄想してました
こういうどっちでもええやんっていう選択肢って選ぶの難しいですよね。
意見が五分五分に分かれてる訳でもないのに、選べる自由を盛り込んでくるそれです。
でも一応、ネットで調べました、どっちがいいのか。
結果、答えが出なかったです。
入口は大きい方がいいだろうと、最終的には口からの経口検査で申し込みました。
健康診断の日。
所定の検査を終えて、胃カメラの検査の前に看護師さんにヒアリングを受けました。
「門田さん、経口検査で本当に大丈夫ですか?」
「胃カメラ初めてですよね。」
ほらきた。最初から答えあるやつ。
でも、あまりほだされるんで、意地になってきて、
僕は譲りませんでした。
「門田さん、初めての胃カメラが原因で苦手意識をもって欲しくないんです」
「どうしますー?」
もうわかってきました。
何か理由がある感じがしてきました。
事前に調べた時に、口と鼻では使う内視鏡が違うと。
機械を交換するのが手間なのかどうなのかとか。(勝手な想像をお許しください)
事前に患者とすり合わせして現場も動きやすい、患者の為を思って連携している感じが眩しくみえて、
最終的に経鼻検査に切り替えました。
どっちを選んでも、初体験しなければならないのは一緒だと思ったのが本音で、
相手がやりたい方法でやってもらった方が、優しくしてもらえるんじゃないかという打算も織り込んで。
そして、ここからはもう最高でした。
まずは検査の前に鼻からゼリー状の麻酔薬を投与。
時間を置いて、いよいよ検査です。
別室に向かい、お医者さん登場。
ベッドに横向きに寝て、胃カメラ定番のポジショニングをとります。
鉛筆くらいの太さがある内視鏡が出てきて、鼻に入れていきます。
どんどん入ってきて、入っていくのを感じます。
ちょっと耳かきで、奥を探っていく緊張感と似てますね。
でもやっぱポイントで嘔吐反応がきます。
目を閉じているとかえって敏感になるので、目を開けて遠くを見つめるように指示を受けます。
なにか気を紛らわそうと、モニターに写っている文字みたいなのを読んでみようとしてるあいだに、また嘔吐反応。
それを繰り返してくるとだんだん意識がふわっとしてきて、視界もフラットに。うん、質感がない感じ。
でもその視界が妙にぬるま湯に浸かっているような良い心地。
まさにタランティーノの映画のよう。
めっちゃ苦しいのに、頭では快楽的な音楽が流れてくるそれです。
釣り竿みたいな内視鏡を鼻から入れて嘔吐反応を繰り返しているのに、
「Girl, You’ll Be a Woman Soon」がスローモーションの時間感覚の上にハイレゾで頭にon airされました。
うわーこれならもっと早く、胃カメラ受けとけばよかったー。
さて、このコラムの落としどころですが、
ブランド名の見せ方です。
お医者さんは右手で内視鏡の挿入具合を調整して、
左手で内視鏡のヘッドをコントロールするためのコントローラーを持っています。(私の思い込みかもしれません)
さっきから白昼夢を漂っている最中に、とてつもない閃光をもって目に飛び込んでくるのは、なんだ??
「FUJIFILM」
脳が識字できるものに対して強烈に反応しているのが、僕にとっては光の刺激に近い感覚で入ってきたと同時に、
なぜかこの社名に妙なぬくもりと感謝の気持ちが湧いてきました。
そうなってきたら、もう頭は「FUJIFILM」との思い出一色。
父親が僕の子供時代に向けていたカメラはFUJIFILM社製だったり。
研究職の社員をCMに起用したり、美容とか医療にも参入しているとかどうとか。
もうカメラだけの会社じゃないのよなとか。
とめどなく思い出される、僕とFUJIFILMの熱烈な関係が浮かび上がってきて、あれ?僕はずっとこの会社のことが大好きだったんだ。
そんな自分の気持ちに気付きました。なんて。
多くの方にとってのFUJIFILMとの思い出はやっぱりこれですよね。
検査を終えて少し俯瞰してみると、これは完璧に計算された演出のように思えたのです。絶妙なタイミングと、箇所に社名が印字されている。。
普通に検査を受けたなら、ほとんどの人がまずは目を閉じておどおどしながら内視鏡が体に入っていくのを受けて入れていくと思います。
そこから嘔吐反応がきて、看護師さんにリラックスするように声をかけられ、目を開けることを進められ、目から入ってくる情報を否応なく処理しているとひょこっと顔を出す「FUJIFILM」の名前。
施術する側とされる側の行動を読みとった上での露出。いやー、憎たらしい。
病院という場所で、完璧なTPOをかましてくるこの会社に恋してしまいました。
さて最後に。
僕たちが作っているコンブチャは世の中的には全く知られていないドリンクです。
つまり、飲み手はブランド名よりカテゴリー名を意識する事が多い。
今回の場合も初めての内視鏡の検査で、検査自体が大事で機材のブランド名は意識すらなかった。でも結果的にブランド名には印象的に辿り着いた。
ブランド作りには、プロダクトとの出会いの数を増やす事も大事な一方、熱狂的な出会いの質も大事だなっと。
FUJIFILMさんの抑揚の効いた露出にブランドの態度が見えてその感動の余韻は長い。
高度な機械を製造している自負すらもそこから滲んでいる。
ちょっと会社のHPをのぞいてみる。
「地球上の笑顔の回数を増やしていく」という企業理念。
なんか大泉工場と共通するものがあるのかもしれない。