「イケてる」の正体を探しに、青山でカフェをつくった。

  • 機能性発酵飲料「_SHIP KOMBUCHA」の製造販売
  • 100% Plant-Based/Naturalな素材にこだわったカフェ「1110 CAFE/BAKERY(川口市領家)、「BROOKS GREENLIT CAFE(港区南青山)」の運営
  • 約3000坪の自社敷地を活用した各種イベントを開催
  • 自社農場で野菜の有機栽培に挑戦
  • サーキュラーエコノミーの実践                        などなど

素敵な環境を創造し続け、世の中を笑顔で満たす活動をしている、大泉工場のKANです。

今回は、緑との共生を素敵に実現していくためにオープンした、僕らのカフェについて、コラムにしてみました。

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世の中には「イケてる」ものがたくさんある。
ファッション、食、空間、建築、アート、プロダクト、、、そして人。
この言葉はとても抽象的でざっくりしているけど、僕の中では「素敵だな」「センスがいいな」と自然に心が動くものに対して使っている。

そして最近気づいたのは、その「イケてる」と感じるものには、共通点があるということ。
それは、“本物の意志が込められているかどうか”
どこかで見たようなデザインよりも、関わった人やチームの哲学、世界観がにじみ出ているものに、僕は強く惹かれる。

旅をして、街を歩いて、人に会って、体験して、五感で“イケてる”を集めることが僕のライフワークといっても過言ではない。
ジョン・C・ジェイから直接もらった言葉「可能な限り旅に出なさい」は、そんな日々の原点になっている(過去の「旅」に関するコラムはこちらから)。
僕にとって旅とは、外の世界に触れ、刺激を受け、自分の感覚を更新していくこと。
だから今日も、まだ見ぬ“イケてる”を求めて、街を歩く。

■世界中のカフェが教えてくれたこと

そんな旅の中で出会ったのが、世界各地の「カフェ」という空間だった。
ニューヨーク、ロサンゼルス、ヘルシンキ、コペンハーゲン、ベルリン、シンガポール、京都など、どの都市でも、カフェはその街の価値観が表れる場所だと感じる。

コーヒーを飲むだけじゃなく、そこでは人が働き、考え、語り、学んでいた。
音楽のセンス、使われているカトラリー、椅子の座り心地、空間の余白、そこにいる人たちの表情。
すべてに「その土地らしさ」と「その店の哲学」があり、何より、“自分が心地よくいられるかどうか”が判断軸になっている。

カフェは、単なる飲食店ではなく、「価値観の交差点」になっている。
そして、その“価値観”の中にこそ、これからの社会を作っていくヒントがあると思った。

シンガポールの人気ベーカリーTiong Bahru Bakery SAFARI。街中と郊外で、店舗のしつらえ、アプローチ方法が変わってくる。

■青山という街と、この場所

そんな想いを胸に、2024年12月。僕らは港区南青山に、BROOKS GREENLIT CAFEをオープンした。

青山一丁目駅から歩いて4分。駅近だけど、あまり人通りが多いわけではない立地であり、周囲には、昔ながらの喫茶店も、話題のチェーン店もある。
競合は多く、立地条件だけで言えば、もっと人が集まりやすい場所もあった。

それでも、この場所を選んだ理由、それは、「緑との距離の近さ」だった。

目の前に広がる青葉公園の木々。四季折々に表情を変える自然の風景。
平日の日中は、近所の保育園の子どもたちの声が聞こえ、鳥のさえずりや風の音が心地よく流れる。
この空気感に、「ここでしかできないカフェがある」と感じた。

2024年12月OPENのBROOKS GREENLIT CAFEは、公園を抜けると突如現れる設計となっている。

■GREENLITという名の意味

このカフェには、僕たちの会社が大切にしてきた「Plant-Based」や「環境配慮」の哲学が詰まっている。
でも、それを押し付けがましく伝えるつもりはない。
むしろ、「なんかここ、いいよね」と、自然と共感が広がっていくような形で届けたい。

そんな想いを込めて、このカフェに「GREENLIT」という名前をつけた。

GREEN=自然との共生や、地球に優しい選択を尊重すること。
LIT=遊び心を忘れず、ポジティブで、肩ひじ張らない軽やかさを持つこと。

社会課題に向き合うには、重さよりも“楽しさ”の力が必要だと思っている。
このカフェが、そのきっかけになれたらと願っている。

自然との共生も、かっこよく遊ぶことを意識して、仲間と共に実践していく場作りをしていく

■緑化地域制度という知恵

ところで、「緑」といえば、日本にはちょっと面白い制度がある。
それが「緑化地域制度」という仕組み。

これは、1,000㎡以上の敷地に建物を建てる場合、その20%以上を緑にしなければいけないというルールで、都市のヒートアイランド対策の一環として1990年代から本格的に取り入れられてきた。

僕たちのカフェがある東京都港区では、250㎡以上の敷地でも緑化計画書の提出が求められている。
正直、面倒だと思う人もいるかもしれないけれど、これは未来の都市を考えるうえで、とても大切な知恵だと思う。

僕らが店づくりを進める中でも、この制度の存在があったからこそ、より深く「緑と人と建築の関係」について考える機会になった。

間も無く見頃を迎える埼玉県川口市の大泉工場本社の桜。緑との共生はここから始まった

■自然との対話から生まれる未来

20%という数字が多いか少ないか、それに正解はない。
だけど、緑を意識しながら街をつくること、それを義務ではなく“当たり前”にしていくことが、これからの都市には必要だ。

テクノロジーが進化しても、最後に人を癒してくれるのは、風や緑や、自然のぬくもりだったりする。
だから、僕らのカフェも、「ここにいると、なんか気持ちいいね」と思ってもらえるような場所でありたい。

そしてそれが、ほんの少しでも、「イケてるってこういうことかも」と思ってもらえるきっかけになったら、嬉しい。

BROOKS GREENLIT CAFEでは、一緒にお店を創り上げていく仲間(正社員、パートタイムスタッフ)を募集しています。ご興味のある方はぜひ、エントリーください。

オープニングイベントの様子はこちら

大泉工場