87,600回、何食べる?

毎週水曜日の朝に来ているサウナに、金曜日の朝来たら、とても混んでいて勝手が違うことに戸惑う、KANです。

さて、2024年11月7日(木)、西麻布の直営店がリニューアルされ、大泉工場+CULTUREとして再スタートを切ったわけですが、改めて、自分の中で、食べるを選ぶことについて、再定義してみたいと思います。

■食べる事の歴史

人間、一生を80歳と仮定すると、365日x3食x80年=87,600回、1日2食の人は58,400回、食事をします。

生まれたての赤ちゃんも含めるの!?など、細かいことは置いておいてください。

この回数が多いか少ないかは、人それぞれかと思いますが、生きることは食べる事とも、言い換えられますよね。

普段、何気なく食べたり飲んだりしていますが、これからの時代、何を選択するか、本当に多岐にわたると思います。

日本の食文化の始まりは、主に穀物である米を中心として、野菜や魚を取り入れたものと言われており、仏教の影響で長らく、肉食が控えられていた歴史があります。平安時代に精進料理が発展した背景も、ここにあります。

大きな転換となったのが安土桃山時代(1573年〜1600年)、ポルトガルやスペインから、パンやカステラといった西洋料理が日本に伝来し、食文化に大きな影響を与えたとされています。江戸時代(1603年〜1868年)になると、より豊かな食文化が発展し、寿司や蕎麦といった庶民の料理も登場しました。

福岡の糒(ほしい)料理の名店、古き良き日本の食文化を守っている

そして「食の多様化」といえば、明治時代(1868年〜1912年)、牛肉などの肉食が解禁され、「洋食」文化が広がり、大正時代から昭和時代、戦後、日本の経済が発展するにつれ、外国からさまざまな料理が入ってきて、現代の基盤が作られました。

近代以降、日本の食文化はますます多様化。高度成長期(1950年代〜1970年代)には、冷蔵庫や電子レンジといった家電が普及、家庭での食事スタイルに大きな影響を与えました。インスタントラーメンが誕生したのも、1958年、まさに日本がイケイケドンドンの時代。経済成長と食の多様化は、相関関係にあり、バブル期(1980年代後半〜1990年代初頭)には、グルメブームが巻き起こり、高級志向の食が人気を博したとされています。

そして2000年台に入ると、健康志向の高まりから、オーガニック食品や和食の再評価が進み、近年では、世界中でベジタリアンやヴィーガンといった、自分のライフスタイルに合わせた食事も注目されています。

食の歴史を紐解くのは、とても面白いです。

100% Plant Based のフライドチキンバーガーなんかはイノベーションの賜物

■普段の食事・・・とは

選択肢が多いということは、一見豊かなことに思える一方、意外な弊害が。

それは、「何を選べばいいのか」という悩みが生まれてしまうことです。

生きることは選択の繰り返しです。できる限り間違った選択はしたくないというのが、世の常だと思いますが、この食の選択というのも、人それぞれ判断基準があり、とても難しいですよね。しかも、毎日ほぼ、必ずしなければいけない。

その結果、最も安易な判断基準である「価格」だったり「便利」といった、そのものの本質に目をむけるゆとりがなくなっているのが、現代の普段の食事になっている方が、多いのではないかなと懸念しています。

■決め方の提言

もちろん、安易な判断基準の全てが悪いわけではありません。

「価格」を下げ、消費者の懐事情にマッチした商品を提供するのも、手軽に「便利」にお届けするのも、企業努力の賜物であることは、否定できない事実。

自分が提言したいのは、そこに、「心に対する豊かさがあるのか」ということ。

一時、ブームのように「生産者さんたちの顔」が至る所で見られるようになりました。これは、その食品を作ってくれている方々のことを少しでも想い、感謝の気持ちを持って消費するという、まさに心が豊かになる判断基準がありますよね。

これからの世の中は、身体的にも精神的にも豊かになる消費が重要になってくると考えています。

これをお客様にどう伝えるか、それは一言で言うと、そのものが持つストーリーをお届けすると言うこと。

ストーリーと言うワンワードには、奥行きがあります。

想像→創造→エピローグ

「こんなものがあったらいいな」というところから始まり、実際にそれを形にし、手に取ってもらい、消費してもらい、その後、消費していただいた方がどうなっていくか。この一連の流れがストーリーであり、これをうまく伝えることが、これからの判断基準になってくる。とても重要なことです。

とても簡単に流れを記述してみましたが、一つ一つの工程はさらに深い沼であることは、言うまでもありません。届ける側は、その沼を探求することを楽しみ、価値を見出す。ワクワクしてきます。

大々的に生産者さんの名前を冠した野菜コーナーは、こだわりスーパーには良く見かけるようになりました

■自分よがりにならない食のあり方

繰り返しになりますが、安価なものが全て悪だと言いたいわけではありません。

日々、テクノロジーや技術が発達し、その恩恵を受ける現代社会において、それらがもたらす影響は多大です。

そして技術革新というのは原則、世の中を良くすることを前提に生まれてきています。

上海の商業施設内のURBAN HARVESTは、とても近代的

食の分野に関しても、そう。

需要と供給のバランスが、地球規模で保たれ、正しい消費のあり方を、個々人で模索することが、より良い未来につながると考えています。

大泉工場は、Plant Basedと言う食のジャンルで事業を展開しているわけですが、決して全ての動物性食品を否定したいわけではありません。食の多様化って、純粋に面白いじゃないですか。

難しく考えすぎず、自分たちのできることを少しずつでもアップデートし、身体と精神、そして地球環境と社会を豊かにする未来を目指します。ストーリーある食事を提供し、楽しむことで、持続可能な選択を増やしていきたいと考えています。

大泉工場+CULTURE URL

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