何もない国が、世界に躍り出ることに成功したルーツを知り、テンションが上がりまくっている、KANです(シンガポールが、好きです)。
大泉工場は動物性の食材を扱わない事業を展開していますが、スタッフの中で自らを「Vegan」と名乗る人はほとんどいません。そして実は私自身もVeganではありません!(驚かれた方もいるかもしれませんね)
では、なぜ動物性を扱わないのか?その理由は、地球環境や私たちの健康に配慮した「Plant Based Products」が、私たちの理念に最も合う選択肢だと考えているからです。ただし、もし将来的に研究が進み、このアプローチが最適でないと分かった場合には、柔軟に方針を切り替えるつもりです。
といっても、劣悪な環境下で飼育されてしまっている、工業化された畜産を積極的に摂取したり、明らかに身体に悪影響を与える加工肉などを、事業として広めていく活動はしないかなと思っています。
ここまでの文章で、大泉工場が「Vegan」を推奨しているのではなく、あくまで「Plant Based」を推奨しているということをお分かりいただけたかなと思います。
そもそもPlant Basedの定義とは何か。それは「すべて植物由来の原料から作られた食品」。(大泉工場では、加えて「Organic/Naturalである」ことの必要性を訴えています)
先にものべた、「Vegan」と「Plant Based」の違いはというと、これはアプローチの違いです。
・Plant Based ・・・植物性のものを積極的に摂取
・Vegan・・・動物性のものを一切摂取しない
つまり動物性を含まないという点が一致しているのです。
さらにまとめると
・Plant Based・・・環境負荷軽減、健康促進→植物性食品を積極的に摂る
・Vegan・・・動物愛護、宗教の教義→脱動物搾取
優先順位
・Plant Based:環境、健康、予防、動物、宗教 の順番
・Vegan:宗教、動物、環境、予防、健康 の順番
こうまとめることができます。
■主食に躍り出た野菜達
近年、Plant Based Foodが注目を集める理由は、Food Techとの連携が目覚ましいことが挙げられます。
「野菜=副菜」だったものが、最近では主菜に躍り出てきました。
その最たるものが、代替肉です。
2000年台に始まったこの流れ。2010年台に入り、米国のビヨンドミートやインポッシブルフーズへ、巨額の投資が集まったことは、まだまだ記憶に新しい方もいらっしゃるのではないでしょうか。
大泉工場でも、インドネシア発祥の、大豆を丸ごと発酵させて作る「テンペ」の新しいアプローチをする企業に、出資をするといったアクションをしております。
このようなプロダクトが注目を集める要因となったのは、畜産業界と環境問題との関係性。
少し前の話にはなりますが、米国の畜産業が占める温室効果ガスの割合は、全産業の18%と言われていました。
この比率は、交通系の排出量の総量よりも高く、大きなインパクトがあります。
また、畜肉の消費量は世界中で年々、高まりを見せています。今までの食生活の中で、畜肉を生活に取り入れていなかったような国でも、多様な食文化の広がりで、畜肉の消費量が増加傾向にあると言われています。
■全てが悪ではないと思いたい
健康の側面でも、動物性タンパクによる健康被害(がんや肥満、心臓病は動物性タンパクと強い因果関係があるといっている文献もある)や、感染症の発生源として、畜産業が注目を集めてしまうケースもあります。
もちろん、清潔な空間で育てられている日本の畜産業界で、そのようなことはほとんど起こらないと考えられますが。
一方、代替肉にはまだまだわからないことも多くあります。
例えば、全米やその他の国でも展開されているインポッシブルフーズの代替肉には、「ヘム」という肉らしい味や香りを出す植物由来の成分が使われていますが、日本ではまだ使用が認められていないもの(それが故に身体に悪いと言い切るわけではありません)。また新商品の開発には多大なエネルギーやコストを要し、環境配慮という側面で、100%正解!と言い切れるわけではありません。
■食の未来
持続可能な社会の実現において、テクノロジーを活用し、新たな商品の開発を進めていくことは、自分は必要不可欠なアクションだと考えています。一言でテクノロジーと言っても、本当に幅広いジャンルの新技術は日夜、誕生しては無くなっていく毎日。
食の分野でも、代替肉や培養肉といった分野と、伝統的な発酵技術や、既存のものを違った角度で使うことで新たな価値を生み出す分野は、全く別物です。
どちらが優れているというわけではなく、無限の可能性から、何をチョイスし、どう活動に落とし込んでいくか。
日々アンテナを立て、情報をキャッチし自分と周りに落とし込み、素敵な環境につながる生き方を、そして食の未来をより豊かにするために、まずは身近な選択から始めてみませんか?