寒さに対する免疫が強まっていることはつまり、感覚が鈍感になってきているのではと、若干不安になってしまったりなんかしている、KANです。
オーガニック大国・ドイツ。
ここで毎年開催される、オーガニックの世界的な祭典「BIOFACH2025」に今年も参加します。
いつもは帰国後のレポートばかり書いていましたが、今回は渡航前の想いを綴ってみようと思います。
昨年の様子はこちらから。
■世界最大級のオーガニックの祭典BIOFACHへの挑戦、3年目
2023年、_SHIP KOMBUCHA(お茶を発酵させ、優良な菌を美味しく摂取する、発酵スパークリングティー)を、初めて海外の展示会であるBIOFACH出展し、今年で3度目の挑戦。
初年度から毎回、サンプルが現地に届かないというトラブルに見舞われてきましたが、今年はついに問題なく届く予定。さらに昨年実施したリブランディングと、クリエイティブの大幅アップデートにより、ようやく、万全の状態で戦いに挑めそうです。

さて、我々は今年も_SHIP KOMBUCHAを世界に向けて売り込んでくるわけですが、正直、昨年までは「KOMBUCHAが本当に世界市場で売れるのか?」と疑心暗鬼でした。
というのも、ご存知の方も多いかもしれませんが、KOMBUCHAは日本発祥の飲料ではありません(1970年代、「紅茶キノコ」として一世を風靡した歴史はありますが、それも一過性のもの)。
むしろ欧米諸国の方が圧倒的に、認知度が高く、その製品の特性上、現地生産品が数多く流通しています※1。
そこに、日本から輸送コストをかけて、高い価格帯で販売する意味があるのか、そこに勝算はあるのか——。
何度も自問自答しました。
※1プロバイオティクス飲料のため、原則、冷蔵配送・冷蔵保管が必須。そのため流通コストが上がってしまうので、世界各国のメジャーブランドもなかなか生産地以外の場所へ販路の拡大が難しいと言われています
■「世界No.1」がもたらした変化
もちろん、我々のプロダクトが、どこにも負けない品質、味、クオリティであることは理解していましたし、世界中の方々に喜んでいただける自信はありました。ただそのどれも定性的であり、なかなか価値を表現できていなかったのも事実。
しかし、状況は変わりました。
2023年、_SHIP KOMBUCHAが、KOMBUCHAの世界大会でGold Medalを獲得し、世界No.1の称号を得たのです※2。
そしてこの瞬間、大泉工場内の空気も変わりました。
それまでは「ニッチな市場で細々とやっている」感が強かったのですが、
「これは世界で勝負できるプロダクトなのでは?」という手応えが生まれ、少なからず社内の士気は高まり出しました。

どんなカテゴリーであれ、「世界一」は簡単に得られるものではありません。
しかも、日本発祥でないプロダクトで世界一を獲るのは、なおさら難しいと思うのは、自分だけではないはず。
この成果を生み出してくれたBrewerや、下支えしてくれていた大泉工場のメンバーには心から感謝しています。
しかし、その一方で「世界一のプロダクトを、どうすれば世界で売れるのか?」という課題に直面しました。
※2KOMBUCHA KUP 2023(アメリカ)において、ハーブ部門でSHISO FUTURE(当時SHISO)が世界第一位、オリジナル部門でORIGINALが世界第三位、World Kombucha Award2023(スペイン)において、HOP部門でHOP BREEZEが世界第一位、フルーツ部門でYUZU HEADSが世界第三位
■「Wagyuの成功」が示した道筋
そんなとき、あるエピソードに出会いました。
「肉食文化のなかった日本人が生み出した<和牛(WAGYU)>が、高級食品として、世界中の肉愛好家に受け入れられている」
これはまさに、_SHIP KOMBUCHAが進むべき道ではないか?
なぜWAGYUは世界で成功したのかを分析すると、以下の4つの要因が浮かび上がりました。
1. 品質の高さ
2. 文化的背景
3. ターゲット層の明確なアプローチ
4. 政府と民間の連携
これを_SHIP KOMBUCHAに当てはめてみると——
・品質の高さ → 世界大会でNo.1を獲得
・文化的背景 → 日本の「発酵」文化に根ざした伝統的なメソッド
・ターゲット層の明確化 → 高価格帯でも価値を理解できる層へのアプローチが鍵
・政府と民間の連携 → 日本のオーガニック食材の需要増を見据えた戦略が可能(日本酒よろしく、日本茶の輸出拡大施策を日本政府が推進)
これまで「輸送コストが高い」という一点で躊躇していましたが、それを超える価値があるのではないか? そんな可能性が見えてきました。

厳選した、日本人の心ともいうべきお茶を、大切に抽出しプロダクトを作っています
■世界への挑戦、再び
もちろん、まだ課題は山積みです。
市場開拓、価格設定、販売戦略——考えるべきことは無限にあります。
それでも、今年のBIOFACHでは「コスト」を言い訳にするのではなく、
「_SHIP KOMBUCHAの価値をどう伝えるか?」を徹底的に考え、行動するつもりです。
厳選された日本の食材を使用し、品質を安定化させるために手間のかかる、少バッチで_SHIP KOMBUCHAの要であるスターターを製造。お茶の出涸らしやフレーバーを添加するために使用した、自然由来の食材は、コンポストにして再利用し、製造工程で地球環境に対して極力負荷をかけない手法を取り入れ、手に取るとワクワクするようなアートワークを施す。。。

全てがハマった、新生_SHIP KOMBUCHA
私たちが生み出した<日本のオーガニック発酵スパークリングティー>を、
世界中の人々に届けるために。その先に、本質的な地球環境の美化があります。
今年もドイツで、全力で、日本の発酵飲料を世界へ届けてきます。
この挑戦が、未来の機能性飲料市場を切り拓く一歩になります。応援、よろしくお願いします!
世界に挑戦したい仲間も、絶賛募集中。詳しくはこちらから。