古き良きを、新しく—どうするか

日々、新しい技術が生まれ、革新的な商品やサービスが次々と誕生する現代。そんな中で、僕は「モノ(やコト)を大切にすることの価値」というものが、見落とされているように感じる時があります。

確かに、古いものは時間の経過とともに、劣化してしまうこともあります。しかし、それは本当に「価値が失われる」ということなのでしょうか?

僕が経営している株式会社大泉工場は、創業100年を超える老舗企業(2027年で創業110周年)です。日本には、約420万社の企業があると言われていますが、その中で、100年以上続いている企業はわずか2.75%。長い歴史を持つことは、決して当たり前ではありません。

曽祖父が立ち上げ、祖父、母が経営を引き継ぎ、僕の代になったということで、大泉工場も4世代目。

それでは、この時間の経過とともに、大泉工場は「経年劣化」しているのでしょうか?

答えはNO。むしろ、過去に敬意を表しながら変化を重ね、新しい価値を生み続けています。

有限のヒトが、無限のモノ・コトを生み出すという不思議

人間は生まれた瞬間から「死」という宿命を背負っています。いずれ誰もが寿命を迎え、個人としての存在は、物質としては消え去ります。
しかし、人間が生み出すモノやコトには、それを超えて受け継がれるものがあります。文化、思想、企業、建物・・・——それらは、人がいなくなった後も、新たな形で生き続ける。まるで「有限の命を持つ者が、無限の可能性を秘めたものを生み出している」ように感じます。

これは、とても面白いことだと思いませんか?

100年の歴史を持つ企業も、ただ時を重ねてきたわけではありません。その時々の人々が、価値を見直し、新たな可能性を引き出し続けてきたからこそ、今も生き続けているのです。

しかし、これからの時代、その「生み出す主体」が変わるかもしれません。

AIがAIを生み出す時代。

つまり、「モノ・コトがモノ・コトを生み出す」という、新たな局面を迎えようとしています。

私たち人間が築き上げてきた文化や技術は、これまで「人の意思と手」によって新しく生み出されてきました。しかし、もしAIがAIを作り、進化を続けていくとしたら、そこに「人間の意思」はどこまで関われるのでしょうか?

私たちが「古き良きを、新しく」し続ける理由は、それが「人の意思と手で生まれ変わる」からこそ、価値があるのではないか?
モノやコトが、ただ自動的にアップデートされるのではなく、「人の想いがこもっている」ことが、価値の本質なのではないか?

築80年以上の工場を、新たな価値の場へ——レンタルスペース事業

僕は2009年、まだ大泉工場に戻って間もないころ、「古き良きを、新しくする」ことの大きな挑戦をしました。
それが、築80年を超える大泉工場の設備を活かしながら、新しい価値を生み出すレンタルスペース事業の立ち上げ です。

単なる「歴史的な場所」として保存するのではなく、「今の時代に合った、新しい価値を創造する場」として活かす。当時の仲間たちと共に、既存の設備を修繕し、磨き、必要なアップデートを施すことで、新しい価値を加え、多くの人が集い、創造する場所へと変えました。

これは、ただ古いものを残すのではなく、「どう新しく活かすか?」を考え続ける姿勢の表れでもあります。
そして、この挑戦によって「歴史あるものを未来につなげる方法は、無限にある」と実感しました。

発酵文化を未来へ——_SHIP KOMBUCHAの挑戦

僕たちは2016年に、_SHIP KOMBUCHA というブランドを立ち上げました。
日本の「発酵」という、古くからの知恵に目を向け、それを現代に合った形で再解釈し、新しいプロダクトとして事業化したのです。発酵の技術自体は昔からあるものですが、それを現代のライフスタイルにどう取り入れ、どのように新しい価値を生み出し続けるかが重要です。

もちろん、創ったら終わりではありません。進化を続ける必要があります。
その最前線で日々奮闘し、新たな可能性を探り続けている、素敵な仲間たちがいます。彼らと共に、「古き良きものを、新しく」しながら、未来へとつなげる挑戦を続けています。

そして、そんな仲間をこれからも増やしていきたい。
発酵文化を次世代に残し、新しい時代に適応させるこの取り組みに共感し、一緒に未来を創っていく仲間を募集しています。

進化を続ける_SHIP KOMBUCHA(世界NO.1フレーバーSHISO FUTURE)

これからの時代は、「古き良きを、新しくする」だけではなく、「どうするか」を明確に示し、伝えていくことがより重要になると感じています。

僕たちは、AIに「古きを新しく」してもらうのではなく、「人がどうしたいのか」を問うていく必要があります。
100年後の未来に向けて、僕たちは何を残し、どう活かしていくのか。これからも、問い続けていきたいと思います。

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