こんにちは本部チームの内田です。
「昔の夕立って、こんな降り方だっただろうか。」
今年の夏、そんなことを感じた方も多いのではないでしょうか。
突然、空が暗くなったと思ったら、バケツをひっくり返したような雨が降る。道路があっという間に冠水し、川が増水する。
ニュースでは「ゲリラ豪雨」「線状降水帯」「記録的短時間大雨」という言葉を、頻繁に耳にするようになりました。
さらに今年は、台風が普段とは違う動きを見せ、東から西へ進むケースもありました。
いま、日本の空と海で何が起きているのでしょうか。
2026年、日本各地で繰り返された大雨
今年も各地で大雨による被害が発生しました。
6月24日からの大雨では、静岡、京都、大阪、奈良、広島、山口、福岡、佐賀、鹿児島の9府県で被害が報告されました。
6月29日時点で死者1名、負傷者7名。住宅被害は439棟に及び、そのうち床上浸水147棟、床下浸水282棟が報告されています。
7月に入ると、九州でも激しい雨となりました。
7月2日には福岡、長崎、熊本など九州5県で線状降水帯が発生。さらに7月5日には熊本地方で再び線状降水帯が発生し、山鹿市では1時間70.5mm、八代市では66mmという非常に激しい雨を観測しました。
そして8月にも各地で大雨が発生しました。
地域も時期も違います。
それでも共通しているのは、「短い時間に、大量の雨が集中して降る」ということです。
「雨が増えた」より、「降り方」が変わっている
実は、日本の年間降水量そのものが、一方的に増え続けているわけではありません。
大きく変化しているのは、雨の「降り方」です。
気象庁の観測によると、極端な大雨の発生頻度は長期的に増加しています。
1時間50mm以上の雨は 約1.5倍。
1時間80mm以上は 約1.9倍。
1時間100mm以上では 約2.2倍。
注目したいのは、雨が猛烈になるほど、その増加倍率も大きくなっていることです。
つまり、「長く普通に降る雨」ではなく、「短時間に一気に降る雨」が増えている。
これが、いま日本で起きている大きな変化の一つです。
なぜ、これほど激しい雨が降るのか
重要なキーワードが「水蒸気」です。
空気には、温度が高くなるほど多くの水蒸気を含むことができる性質があります。
大気を巨大な「水を運ぶ容器」だと考えてみてください。
気温が上がれば、その容器に入れられる水の量も増えます。
そして、大量の水蒸気を含んだ暖かく湿った空気が流れ込み、前線などによって上昇すると、積乱雲が急速に発達します。
問題は、その状態が続いたときです。
暖かく湿った空気が同じ場所へ供給され続けると、新しい積乱雲が次々と発生します。
そして、発達した雨雲が列をつくるように同じ場所を通過し続ける。
これが「線状降水帯」です。
一つの巨大な雨雲が居座っているというより、「雨雲が同じ場所に次々とやってくる」と考えると分かりやすいかもしれません。
だから、わずか数時間で災害につながるほどの雨量になることがあります。
そして、空だけでなく「海」が変わっている
ここで忘れてはいけないのが海です。
雨の原料となる水蒸気の多くは、海から供給されます。
気象庁によると、日本近海の年平均海面水温は、2025年までの長期変化で、100年あたり約1.38℃の割合で上昇しています。
「1.38℃」と聞くと、それほど大きな数字ではないように感じるかもしれません。
しかし、これは一日の気温の変化ではありません。
広大な海の平均水温が、長期間にわたって上昇しているということです。
海は、大気へ水蒸気と熱を供給する巨大なエネルギー源でもあります。
海面水温が高くなると、海から大気へ熱や水蒸気が供給されやすくなり、大雨や台風を考えるうえでも重要な要素となります。
もちろん、「海水温が高いから、この豪雨が起きた」と、一つの原因だけで説明することはできません。
前線、風、大気の状態、地形など、さまざまな条件が重なって豪雨は発生します。
それでも、日本近海の海面水温が長期的に上昇していることは、無視できない変化です。
台風まで「いつもと違う」?
今年は、台風が東から西へ進むなど、普段とは違って見える進路もありました。
「台風まで逆向きになってしまったのか」と感じますが、ここは少し注意が必要です。
台風は自分の力だけで自由に進んでいるわけではありません。
太平洋高気圧や偏西風など、周囲の大きな空気の流れに乗って移動しています。
そのため、太平洋高気圧の位置や上空の風の状態によって、西へ進んだり、動きが遅くなったり、複雑な進路をとったりすることがあります。
したがって、「東から西へ進む台風=地球温暖化が原因」と単純に結びつけることはできません。
ただ、海水温、大気中の水蒸気、気圧配置など、台風を取り巻く環境についても変化を注意深く見ていく必要があります。
豪雨、線状降水帯、台風。すべて「水」と「熱」でつながっている
猛暑、海水温、水蒸気、積乱雲、線状降水帯、台風。
そして水害。
一見すると、別々の出来事に見えます。
しかし地球規模で考えてみると、これらは「水」と「熱」の大きな循環の中で起きています。
太陽によって海が暖められる。
海から水が蒸発する。
水蒸気が大気へ運ばれる。
雲になる。
雨となって地上へ戻る。
そして川を通って、再び海へ戻っていく。
私たちがニュースで目にしている豪雨は、この巨大な循環の一場面なのです。
毎年「異常気象」で終わらせていいのだろうか
豪雨や猛暑が起きるたびに、私たちは「異常気象」という言葉を使います。
しかし、毎年のように「異常」が繰り返されるのであれば、それを一時的な出来事として片付けてよいのでしょうか。
一つ一つの豪雨を、すべて気候変動だけで説明することはできません。
・極端な大雨の発生頻度が増えている。
・日本近海の海面水温が長期的に上昇している。
こうした変化が実際に観測されていることにも、目を向ける必要があります。
そして重要なのは、ただ不安になることではなく、「では、自分たちには何ができるのか」
を考えることだと思います。
大泉工場ができること
株式会社大泉工場では、「地球を笑顔で満たす」というPURPOSEのもと、体内環境と地球環境を一つの循環として考えてきました。
その一つが、再生可能エネルギーへの取り組みです。
OKS CAMPUSでは使用する電力を再生可能エネルギーへ切り替え、太陽光発電など、CO₂排出量を抑えるための取り組みを進めています。
_SHIP KOMBUCHAのものづくりでも植物由来の原料を使用し、製造工程では再生可能エネルギーを活用しています。
1110 CAFE/BAKERYではプラントベースを中心とした食を提案しています。
そして、カフェから出るコーヒーかすやKOMBUCHAの製造で出る茶葉などをコンポストで堆肥化し、農場へ戻す。
農場で育ったものを、再び私たちの食へつなげる。
「つくる → 使う → 捨てる」ではなく、「つくる → 使う → 土へ戻す → また育てる」という循環をつくろうとしています。
オーガニックも同じです。
オーガニックを選択することは、単に「身体に良いものを選ぶ」ということだけではありません。
土壌、生物多様性、水、農業、食、そして私たちの身体。
それらを別々のものとして考えるのではなく、一つの環境として捉えていく。
それが、私たちが考える「環境を整える」ということなのだと思います。
体内環境を整える。そして、地球環境を整える。
環境問題というと、とても大きな話に感じます。
でも、その入口は意外と身近なところにあります。
「最近、雨の降り方が変わったな。」
「昔より夏が暑くなったな。」
「台風の動きがいつもと違うな。」
その小さな違和感から、地球で何が起きているのかを知ろうとする。
そして、「どんなエネルギーを使うのか」「どんな食べ物を選ぶのか」「何を捨て、何を循環させるのか」「どんな商品をつくるのか」。
私たち一人ひとり、一つひとつの企業ができることは小さいかもしれません。
しかし、その小さな選択が積み重なれば、社会全体の大きな選択につながっていきます。
体内環境を整える。
地球環境を整える。
そして、地球を笑顔にする。
今年、私たちが目の当たりにした猛烈な雨。
それを「今年も異常気象だった」で終わらせるのではなく、私たちが暮らす地球の環境について、改めて考えるきっかけにしたいと思います。






