捨てられるリンゴと向き合う

捨てられるリンゴと向き合う

こんにちは。大泉工場でWebディレクターをしている白熊です。ECサイトや各ブランドのWebディレクションを担当しながら、日々「どう伝え、どう届けるか」を考えています。

実は、個人でも食に関わる活動をしています。きっかけは一つの数字でした。リンゴ農家の年間作業のうち、7割以上が「捨てる作業」だと知ったことです。
剪定枝を片付け、葉を落とし、摘果リンゴを間引く。その大半は、売れるリンゴを育てるために、売れないものを取り除く作業です。なかでも摘果は、ひとつの株に5〜6個つく幼果を、最終的に1個だけ残してあとはすべて地面に落とします。その数が、毎年膨大になります。

フードロスは「社会問題」として語られがちです。でも、問題として語るだけでは何も変わりません。非生産者である個人個人が生産者と直接向き合ったとき、何かが変えられるのか。そのことを、ここ数年試しています。

摘果リンゴや規格外リンゴは、農園にとって確実に「処理コスト」です。捨てるにも手間がかかる。少量では買い手もつかない。余ったものは、捨ててしまう。でも使い道さえあれば、農家さんにとっても「助かる」ものになりえます。農家さんと地域の食をつなぎ直す活動でもあると思っています。

大きな企業が農家と組むとき、どうしても数量・品質・スケジュールの「規格」が先に来ます。個人は逆で、まず「この農園のこのリンゴで今すぐ何かできないか」という問いから始められます。農園側にとっても、すぐに小さく試せる相手のほうが動きやすい場合があります。

大泉工場には、「素敵な環境を創造する」というビジョンがあります。捨てられるはずのリンゴに使い道をつくり、農家さんと対等に向き合い、小さくてもお互いのためになる関係を築く。これもまた、環境を創造する一つの形だと思っています。会社の事業としてではなく、一個人としても実践できることが、このビジョンの面白いところです

WIN-WINという言葉は、軽く聞こえるかもしれません。でも実際にやってみると、思ったよりずっとシンプルです。定期的に顔を出して、仕入れて、話す。それだけで、いい関係はできていく。一軒の農園と、一個人が、ちゃんとお互いのためになるものをつくる。もっとみんながやればいいのにと思うくらい、ライフワークとして楽しめる活動だとも思っています。