人を紹介するという覚悟

自分の知人を誰かに紹介する。

一見すると何気ない行為だが、実はかなり責任感を伴うものだと思っている。

僕の周りには、それを驚くほど自然にやってのける人がいる。

「今度紹介しますよ」

「その件なら、あの人に繋ぎますね」

そんな言葉がサラッと出てくる。

そのたびにありがたいなと思う一方で、僕は少しだけ緊張する。

なぜなら、人を紹介するということは、自分の信用を差し出す行為でもあるからだ。

紹介した相手が期待に応えられなかったらどうするのか。紹介先との関係が上手くいかなかったらどうするのか。そうしたリスクを理解した上で、それでも紹介する。

だからこそ、そこには信頼がある。

大泉工場は創業100年を超える会社だが、もう20年以上、新卒採用を行っていない。

2009年から食の領域へ本格参入し、POPCORNをはじめとするFUN FOODからPlant-Basedや発酵、KOMBUCHA、Organicなど、新しい領域へ挑戦してきた。

当然ながら、大泉工場にとっては全てが初めてのことであり、そこには前例がない。

だから僕らは、新しい人財を迎え入れるにあたり、新卒を一から育てるというよりも、ある程度の経験や専門性を持った人財に力を借りながら事業をつくってきた。

つまり、結果として中途採用のスタッフが中心の組織になった。

中途採用人財の魅力は、知識や経験だけではない。

その人がこれまで築いてきた人との繋がりもまた、大きな価値だと思っている。

もちろん、単純に知り合いが多ければいいという話ではない。

重要なのは、その人がどんな信頼関係を築いてきたかだ。

実際、僕らだけで事業や思想の全てを完結させることはできない。

ましてや僕らが掲げる「素敵な環境を創造し続ける」や、「地球を笑顔で満たし争いをなくす」なんていう壮大なビジョンは、自分たちだけでは到底実現できない。

だからこそ、人を頼る。

そして人と繋がる。

これができることは、実はとても重要な能力だと思う。

壁にぶつかった時、自分だけで抱え込み、時間だけが過ぎていくことがある。

もちろん、自分で考え抜く時間も大切だ。

でも、世の中にはすでにその壁を乗り越えた人がいるかもしれない。むしろ誰も超えていない壁にぶつかることの方が難しい時代だ。

壁を乗り越えたその人に出会えたら、瞬く間に解決することもある。

だから僕は、「人に頼る」ということも一つの技術だと思っている。

そして、その技術の延長線上にあるのが「紹介」だ。

最近、特に感じることがある。

それは、自分の大切な人を組織に紹介するという行為の重さだ。

自分が信頼している人や、一緒に仕事をしたいと思う人、そして心から尊敬している人。そうした大切な人を組織に紹介するということは、決して軽いことではない。

むしろ、かなりリスクが高い。

紹介した相手と組織が上手くいかなかったらどうするのか。

自分自身の評価にも関わる。

だから多くの人は、簡単に人を紹介しない。

それでも紹介する人がいる。

それは、その組織がもっと良い場所になると信じているからだろう。そして紹介する相手も、その環境の中で力を発揮できると感じている。

つまり紹介とは、人と人を繋ぐ行為であると同時に、その未来に価値を感じ、信じ抜く行為なのだと思う。

だから僕は、人を紹介するという行為をとても重く見ている。

少し極端かもしれないが、

「骨を埋めることと、人を紹介すること」

は似ている気がしている。

自分が近いうちに去るつもりの組織に、大切な人を紹介したいと思うだろうか。

おそらく思わない。

むしろ、自分が本気でその場所を良くしたいと思っているからこそ、大切な人を巻き込みたくなる。

紹介とは、未来へ共に歩む宣言なのだと思う。

一方で、世の中には

「〇〇さんを知っている」

という言葉が溢れている。

僕は昔から、この言葉があまり好きではない。

もちろん、知り合いであること自体は悪いことではない。

ただ、それだけでは価値にならない。

重要なのは、その人と何を生み出したかだ。

どんな挑戦をしたのか。

どんな価値をつくったのか。

どんな未来を実現したのか。

そこまでいって初めて、人との繋がりは意味を持つ。

名刺交換をし、SNSで繋がる。会食を共にする。

それはスタート地点に過ぎない。

本当の価値は、その先にある。

人との交流が苦手な人もいるだろう。

僕自身も決して社交的なタイプではない。

むしろ、一人でいる時間も好きだ。

ただ、それでも思う。

一人でできることには限界がある。

だからこそ、人と出会うことが大事になる。出会った人と繋がり、お互いに頼り、頼られながら、一緒に何かをつくっていく。その積み重ねによって、一人では辿り着けない景色が見えてくるのだと思う。

繋がりを持つことが0歩目だとしたら、一緒に何かを生み出すことが1歩目だ。

その歩みを積み重ねた先に、それぞれのVisionの達成がある。

実際に大泉工場も、そんな人との繋がりによってここまで形づくられてきた。

新しい事業も、新しい店舗も、新しい商品も、振り返れば多くの人との出会いから始まっている。

そしてその出会いが次の出会いを生み、少しずつ今の大泉工場をつくってきた。

もしこの文章を読んで、「大泉工場で働いてみたい」と思ってくださる方がいたら、ぜひエントリーしてほしい。

また、「この人なら大泉工場に合うかもしれない」と思い浮かぶ方がいたら、ぜひ紹介していただきたい。

それは単なる採用活動ではなく、共に未来をつくる仲間探しだと思っている。

人と人との信頼の先に、新しい価値は生まれる。

そして、その価値の積み重ねが、僕らの目指す未来へと繋がっていく。

そんな仲間との出会いを、これからも楽しみにしている。

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