こんにちは、大泉工場の営業部門を統轄している清水です。
大泉工場の89期が終わり、あらたな年度が始まりました。
89期の振り返りを行いながら、次の期に向けた準備も進めているこのタイミングで、あらためて私たちの事業の捉え方について整理しておきたいと思い、この文章を書くことにしました。
私たち大泉工場は、「素敵な環境を創造する」というビジョンを掲げています。人間の腸内というミクロな環境から、衣・食・住・遊・働といった生活環境、さらには大自然というマクロな環境まで。様々な事業を通じて関わり続けています。
そのため、このビジョンを前提に事業を考えていくと、既にある需要に応えるというよりも、人の暮らし方や環境との向き合い方そのものをアップデートするような取り組みが自然と増えていきます。
その結果として、私たちの事業にはプロダクトアウト的な要素が多くなっていきます。
▶︎プロダクトアウト型経営の難しさ

一方で、このアプローチには難しさもあります。市場データや既存の数字では裏づけが取りにくく、個々の企画としては良く見えても、組織としてなぜそれを選ぶのか?という問いになると、特にCAGRやROIといった観点から、リソース配分の妥当性を説明するのが難しくなることがあります(私たちは自己資本をベースに事業運営をしているため、資本効率指標よりも成長性や投資利益率というシンプルな判断軸が、実務上の意思決定にはフィットすると判断しています)。また、実行後の評価も主観的になりやすく、どの基準で振り返るべきかが曖昧になりがちです。
企画としては面白いし、共感もできる。だけど、会社として優先すべきか?という問いには、うまく答えきれないこともある。このあたりに課題意識を持ってきました。
▶︎思考の軸としての「関係性」という視点

この違和感を整理する中で、自分の中で思考の軸となっているのが、物事を関係性から捉える視点です。どういうことかと言うと、物事は単体ではそれほど意味を持たず、他の要素とどんな関係に置かれているのかによって、初めて意味が生まれる。そんな考え方です。
例えば、一つの企画や戦略もそれだけを見れば「良い」「悪い」という評価しかできませんが、それが他の事業とどういう関係にあるのか?全体の中でどこに位置しているのか?を整理することによって、その役割や意味はまったく違って見えてきます。
つまり、価値は単体で決まるものではなく、関係性の中で初めて意味を持つということです。こうした考え方は哲学の分野で語られてきたものにも近く、私の知識の範囲では、”構造主義”に近いものではないかと認識しています。ただ、私自身は理論というより、意思決定を整理するための視点として捉えています。
そして、プロダクトアウト型の取り組みが多いほど、この整理の重要性は高まると考えています。すぐに結果が出ない領域では、感情や勢いだけではメンバーのモチベーションにも限界があります。だからこそ、経営として「なぜこの判断をしているのか?」を構造として共有し、納得できる形で伝えていく必要がある。この視点は、意思決定だけでなく、組織の納得度を高めるための手段にもなりうると感じています。
▶︎構造を可視化するための2軸図

その構造を実務として可視化するための道具としてよく使っているのが、2軸図での整理です。経営として「どこに投資するのか」「どこにリソースを配分するのか」を考えるとき、まず二つの軸を引き、既存事業や検討中の取り組みをその上に並べてみます。こうして並べてみると、それぞれの事業が全体の中でどんな役割を持っているのか、どんな関係にあるのかが、簡易的にも見えてきます。
そして2軸図での整理は現場の仕事にもそのまま使えます。例えば、新しい商品/メニューやキャンペーンを考えるとき。あるいは、「誰に届けるのか(Who)」を整理するとき。いきなりアイデアを出すのではなく、まず構造の中でどこに位置づけるのかを考えてみる。そうすることで、その企画の役割や狙いがクリアになってきますし、プロジェクトであれば関係するメンバーの中で認識が揃いやすくなります。
さらに、この構造は実行後の振り返りにも有効です。どんな構造を前提に意思決定をしていたのかが共有されていれば、結果を単なる成功・失敗ではなく、「どの構造を選んで、その結果どうなったのか」という形で整理できるからです。
思考の深さはどこから生まれるのか?〜大泉工場の新しい価値を創り出すために〜
▶︎構造から考えるということ(経営と現場のあいだで)

こうして構造が見えてくると、考えるべき問いも自然と整理されていきます。この取り組みはどれくらいのインパクトを生みそうか?売上成長を取りにいく領域なのか、カルチャーの醸成をねらう領域なのか?それをふまえ、今どこにリソースを集中させるべきなのか?
こうした問いを、感覚やその場の空気ではなく、「構造」として共有できるようになるのは大きいと感じています。結果として、意思決定は速くなります。「この企画が良いかどうか」を一から議論するのではなく、構造の中でどこに置くべきか?に集中できるからです。
まとめますと、プロダクトアウト型の経営で求められているのは、毎回「正解」を出すことではないと私は考えています。あとから振り返ったときに、「なぜそう判断したのか」を説明できる意思決定を積み重ねていくことだと思っています。そのために、まず構造を描いてみる。思考が整理できないときほど2軸図で整理してみる。
この「構造から考える」という習慣が、経営と現場のあいだに共通の言葉をつくり、納得度とスピードの両方を支えてくれていると感じています。
まだまだですが、でも面白い。
地域に開放されたサーキュラーエコノミー実践区「OKS_CAMPUS」
▶︎ 未来を一緒に創造する新しい仲間へ

大泉工場では、一緒に未来をつくっていく仲間を募集しています。
目の前の様々なことに向き合いながら、一歩ずつ成長を積み重ねていける方と出会えることを楽しみにしています!






